仕事も育児も愛犬も、ぜんぶ大切にしたい。モニカと歩む“新しい家族”の形

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忙しいスタートアップでのキャリアを駆け抜けながら、愛犬モニカとの暮らしを通じて人生観まで変えていった筬島香穂里さん。今回は、20〜30代の変わりゆくライフスタイルの中で不安を抱えながらも、思い切って愛犬を迎え、子育てまで両立させている彼女のストーリーを深掘りします。

プロフィール

  • 筬島香穂里(おさじま かほり)さん
    • スタートアップ企業でのブランド立ち上げを経験後、自身でドッググッズブランドの立ち上げなど“挑戦”を続け、現在は一児の母に。愛犬モニカ、そして現在は昨年生まれたお子さんと3人+1匹の生活に日々奮闘中。
  • 愛犬:モニカ(メス/10歳)
    • ポメラニアン×プードルのミックス犬。通称「ポメプー」。生まれて10年目に入るシニア期だが、元気いっぱい。ささみが大好物。

「仕事で忙しかった頃、人生をより豊かにしてくれたのはモニカとの出会いでした。」

スタートアップ企業から独立しペットブランドの立ち上げなど経験されていますが、どのようなキャリアスタートでしたか?

学生の頃から「大企業よりも、成長途中のスタートアップでいろんな立ち上げを経験したい!」と思っていました。新卒入社した会社が、まさにそういった急成長ベンチャーでした。
最初は「コスメのブランド立ち上げ」「アパレルの新規事業」というふうに新しいプロジェクトが次々舞い込んで、刺激的でした。すごくやりがいがありましたが、仕事に追われ余裕がなくなることもありました。

忙しさに追われすぎて、メンタル的にちょっと限界が近かったんですね。

私自身がオーバーワーク気味だったのかも。元々動物が大好きなので、ワンちゃんを眺めて癒されたりしていました。そんな時にモニカに出会い、あまりの可愛さにどうしても忘れられなかったのですが「でも忙しいし…」と何度も自問自答を繰り返していたんですよね。

仕事が忙しいとちゃんと面倒見られるかなと不安もありますよね。

最初は「ちゃんと育てられるか不安だしやめておこう」と思ってました。でも何度もモニカに会いに行くうちに、迎えるにはどうしたらいいかを考え始めている自分がいました。状況をしっかり整理して、「この子と家族になる!迎える」と決めました。
もちろん一人暮らしで激務、周囲には「犬飼ったら婚期が遅れるんじゃないか?」と心配もされましたけど、それ以上に生活を豊かにしてくれたモニカは、私の人生を変えてくれた存在ですね。

愛犬のために、おしゃれな犬用品を作りたい!

激務のスタートアップ時代にモニカちゃんを迎えたそうですが、その後ご自身で犬のグッズブランドを立ち上げたんですよね。きっかけは何だったのでしょう?

モニカを迎えた当初、ワンちゃんの洋服やグッズを探すのが楽しみだったんです。でも、いざショップやオンラインストアで探し始めたら、なかなか気に入るアイテムに出会えなくて。……。たとえば、デザインはおしゃれだけど素材が硬い、逆に機能的だけど色や形があまり好みじゃないみたいな。
私は以前からコスメやアパレルの新規ブランド立ち上げを経験していたので、その経験を活かして、「自分で気に入るドッググッズのブランドを立ち上げてみたい。」という気持ちが生まれたことがきっかけでした。

なるほど。消費者として探しても納得できるものが見当たらないなら、作ってしまおうというわけですね。さすがです!

そうなんです。犬用品って、キャラクター物のデザインや、色も派手なものが多くて。もちろんそれが好きな方もいるけど、人間のファッションに合わせて、もっとシンプルでおしゃれなものが欲しいなと。
実際、コスメブランドを作るときも「機能とデザインの両立」が重要視されるじゃないですか。同じように、犬グッズだって“見た目の可愛さ”と“実用性”が両立できるはず。それを形にするために、思い切って会社を辞めました!

スタートアップでのノウハウを生かして、愛犬にピッタリのグッズを企画するなんて、まさに“ワンちゃんが人生を変えた”という感じですね。

本当にその通りです。モニカとの生活を優先したくて働き方を見直したり、「どうすれば犬と飼い主が快適におしゃれを楽しめるのか」をとことん考えた結果、人生の方向まで変わっちゃいました(笑)。ワンちゃんがくれる影響力、すごいなと思います。

「結婚、そして出産。モニカとの新しい家族のかたち。」

モニカちゃんを迎えた後、筬島さんご自身も結婚・出産という大きなライフイベントを迎えられましたよね。犬を飼っていると、パートナー探しや子育てとの両立など、いろいろ不安もあると聞きます。

犬が好きで、モニカのことも大切にしてくれる人でないと一緒に暮らしていけないので、確かに出会いは限られましたね。でも逆に、「この人は私の愛犬を大事にしてくれるかな?」というフィルターがあるのは、パートナー探しにおいて大切な基準になった気がします。

旦那さまは、最初からモニカちゃんを含めたデートプランを考えてくれたとか?

はい、初めてのデートから「モニカも一緒に行ける場所を探したよ!」と言ってくれて。モニカを含めたプランを当たり前のように提案してくれたのが嬉しかったですね。男性が苦手なモニカが彼の膝の上にピョンと乗ったときはびっくりしましたけど(笑)。

妊娠中の気遣い:モニカに「赤ちゃんがいるかも?」を伝えるコツ

結婚後、妊娠~出産に至るまで、モニカちゃんとはどんなふうに過ごしていたんでしょう?

最初の頃はモニカも全然わかってなくて、お腹に乗ってきたり、自由なモニカに少しハラハラしました(笑)。でも後期になるとお腹が大きくなり、モニカが私のお腹を枕にしてゴロゴロすることが増えました。赤ちゃんの心音や動きを何となく感じ取っていたのかもしれません
私がつわりで体調が悪いときは、夫がモニカのお世話をしっかりやってくれて、モニカが「いつもと違う?」と感じないように配慮していました。ここで「まずは夫婦で役割分担しておく」のは重要だったと思います。

出産入院で生じた“すれ違い”を解消する工夫

出産時は入院されたとのことですが、その間モニカちゃんはどうでしたか?

1週間ほど入院したんですが、モニカは突然私がいなくなって、すごく不安になったみたいです。退院後、家に帰ったときに初めてモニカに無視されてしまって……。いつもなら飛びついてくるのに、「どこ行ってたの?」みたいなすねモード全開でしたね。
もちろん入院中も夫がとても頑張ってくれました。毎日モニカを最優先で過ごしてくれて、散歩やスキンシップを欠かさないようにしていたおかげで、なんとかモニカの気持ちが安定していました。退院後は、夫や母の協力で「まずはモニカを抱っこしてから赤ちゃんのお世話をする」とか、モニカを優先するルーティーンを作ったら、ちゃんとケアされているとわかったのか、今では赤ちゃんを見てもそこまで嫉妬しないというか、程よい距離感で受け入れてくれています。モニカの我慢が増えて、寂しい想いをさせないようにと努力しました。

赤ちゃん誕生後、モニカとどう過ごす? 共有スペースとルール作り

赤ちゃんが家にやって来て、具体的にどんなルールや工夫をしているか、読者がすごく知りたがると思います。

うちは「まずはモニカのテリトリーを崩さない」ことを優先しました。モニカがいつも寝ている場所や、お気に入りのおもちゃが置いてある場所はなるべく変えずに。ベビーベッドなど赤ちゃん用のグッズも増えましたが、モニカのスペースを取り上げないように気をつけました。
あとは、おもちゃを取り合わないようにしっかり置き場も分けています。届いたばかりでどっちのかわからないおもちゃをモニカが噛もうとしたら、「それは赤ちゃんのだよ」「こっちはモニカのだよ」と根気強く伝えていました。モニカも理解してくれているのか、息子が遊んでいるおもちゃには手を出さないでくれています。

「子育て×愛犬の暮らし、苦労もあるけど幸せ倍増。」

ママ+愛犬家が実践する「時間のやりくり」

出産後、時間の使い方はどう変わりましたか?

すごく変わりましたね。モニカを散歩に連れていきたいけど、赤ちゃんがお昼寝してしまって家から出られない。などリズムを掴むのがなかなか難しいです。
モニカの散歩は、ベビーカーを押しながら3人で行きます。余裕がある日は、犬連れOK&子連れOKのスポットをリサーチしておいて、少し遠出して外の空気を吸ってリフレッシュしたりと楽しんでいます。

外出や旅行はどうでしょう? 特にベビーカーとワンちゃん連れの行動はやっぱり大変ですよね。

それも悩みますが、うちはけっこう行ってしまいます(笑)。お店を探すのがちょっと大変で、ワンコOKかつベビーカー入店OKの場所って限られますから。でも「行けるところに行こう!」というスタンスですね。泣いたら抱っこすればいいし、モニカには店内OKなら一緒に入ってもらう。ちょっと行動範囲は狭くなるけど、家族全員で楽しめる方法を日々模索してます!

「不安をゼロにするより、家族として迎える準備を。」

最後に、犬を飼いたいけど「一人暮らしだから」「子どもができたら世話が大変そう」など、不安が先立って踏み出せない人も多いと思います。かほりさん自身はどう向き合ってきましたか?

私も最初、モニカを迎えるときは「朝早くから夜遅くまで仕事なのに、ちゃんと面倒を見られるかな?」と不安でした。周りからも「結婚が遠のく」「自分の時間がなくなる」など、いろんな声を聞いて、正直迷いました。でも不安を完全になくすのは難しいんですよね。

確かに、生活状況は変わるものですし、犬には突然の病気や高齢期のケアもありますよね。

そうなんです。だから**「不安をゼロにする」んじゃなくて、「不安が起こりうるなら、どう対策できるか」を先に準備しておくのが大事だと思いました。例えば…

1. 預け先の確保
 ⚪︎ 忙しくなったり、やむを得ず家を空けるとき、信頼できるペットシッターや友人に頼めるようにしておく。
 ⚪︎いざというときのために、“犬仲間”コミュニティを作る。
2. 資金面の見通し
 ⚪︎飼い始めだけじゃなく、フード代・トリミング代・予防接種など、犬にかかるランニングコストを試算しておく。
 ⚪︎病気になった場合の治療費をどうするか、ペット保険などを検討しておく。
3. パートナーとの共有
 ⚪︎結婚を視野に入れるなら「犬中心の生活をどう思う?」を最初から擦り合わせる。
 ⚪︎一緒に出かける場所を探すなど、犬と暮らす楽しさをパートナーにも共有する。
4. 子どもとの生活シミュレーション
 ⚪︎子どもができたときの部屋のレイアウト、犬の動線を考えておく。
 ⚪︎犬の散歩や遊びをパートナーと分担できるように話し合う。

なるほど。犬を家族に迎えることは簡単なことではないけれど、一つ一つ考えて、対策して行けば困難も人生の醍醐味になりますね。

そうですね。「もし旅行に行きたくなったら?」「妊娠したら?」みたいな不安は、具体的に対策を考えるとだいぶ軽くなるし、迎える前の準備としてやっておくことをおすすめします。いざ迎えたら意外と何とかなる部分もあるし、何より犬と暮らす幸せを想像して準備を進めるほうが、きっと楽しいし現実的だと思います。

「不安を抱えながらでも、ちゃんと準備してしまえば大丈夫!」っていうメッセージは、多くの人の背中を押してくれるはずですね。

そうだと嬉しいですね。家族として迎える以上、完璧にリスクをゼロにすることは無理ですが、だからこそ“どんな時も一緒に乗り越える”っていう覚悟が愛犬家には必要なんだと思います。

愛犬モニカを迎えたことで、キャリアや、結婚・出産など自身のライフステージ変化への不安を乗り越えてきた筬島さん。結果的に、仕事も家族も、そして愛犬との時間もあきらめることなく手に入れられたのは、常に具体的な“準備”と“周りへの相談”を惜しまなかったからこそ。ワンちゃんが与えてくれる「変化のきっかけ」は、ときに人生を大きく動かす力を秘めています。あなたもその一歩を踏み出すヒントを、ぜひ彼女のストーリーから見つけてみてください!!

羽鳥友里恵

この記事を書いた人

羽鳥友里恵

愛玩動物飼養管理士/ペット防災危機管理士 株式会社PETSPOT 代表取締役/CEO 株式会社SARABiO温泉微生物研究所 CAO(最高動物福祉責任者)

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