【猫とまたたび】なぜ酔う?驚きの効果と正しい与え方|危険性や年齢も解説

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愛猫が退屈そうにしていませんか?あるいは、おもちゃに興味を示さなくなって困っていませんか?

実は、正しく「またたび」を使えば、猫のストレスを解消し、活き活きとした姿を取り戻すことができます。

なぜなら、私自身も愛猫の運動不足に悩み、またたびを適切に取り入れたことで、驚くほど遊びへの意欲が変わった経験があるからです。

この記事では、最新の研究で判明した「猫がまたたびを好む本当の理由」から、安全な与え方、注意すべき危険性までを徹底解説します。

なぜ猫はまたたびに夢中になる?最新の研究で判明した「生存戦略」

またたびでぐったりしている猫

「猫にまたたび」ということわざがあるほど、猫がこの植物に強い反応を示すことは有名です。
しかし、なぜこれほどまでに夢中になるのか、その理由は長年の謎でした。

実は、近年の研究によって、この行動には「生き残るための重要な意味」があることが判明しました。

ただの「快楽」ではない?蚊を避けるための防衛本能

2021年、岩手大学や京都大学などの共同研究グループは、猫がまたたびに反応するのは「蚊を遠ざけるため」であると発表しました。

またたびには「ネペタラクトール」という成分が含まれており、これが蚊に対する忌避効果(虫除け効果)を持っています。
猫が顔や頭をまたたびにこすりつけるのは、この成分を自分の被毛に塗りつけ、蚊から身を守るための本能的な行動だったのです。

噛むことで効果が倍増するメカニズム

さらに2022年の研究では、猫がまたたびの葉を舐めたり噛んだりすることで、葉が傷つき、有効成分の放出量が大幅に増えることも分かっています。

つまり、猫がまたたびに酔ったように転げ回ったり噛み付いたりするのは、単に遊んでいるだけではなく、虫除け成分を効率よく体に纏わせるための、非常に合理的な「生存戦略」なのです。

これまで言われていたような「単なる麻薬的な快楽」や「幻覚」ではなく、自然界で生き抜くための知恵だと知ると、愛猫のまたたび反応がより愛おしく感じられるのではないでしょうか。

ストレス解消だけじゃない!またたびがもたらす3つの効果

幸せそうにお腹を見せている猫

またたびは「蚊よけ」以外にも、家猫にとって嬉しいメリットがたくさんあります。
ここでは代表的な3つの効果を紹介します。

運動不足とストレスの解消

最も一般的な効果は、精神的なリラックスと運動促進です。
またたびの匂いを嗅ぐと、中枢神経が刺激され、一時的に活動的になります。

普段あまり動かない猫でも、またたびを与えると活発におもちゃで遊んだり、走り回ったりすることがあります。
完全室内飼育で刺激が少ない猫にとって、適度な興奮は良いストレス発散になります。

食欲不振時のサポート

「最近ごはんの食いつきが悪い」という時にもまたたびは役立ちます。
またたびの成分には食欲を増進させる効果も期待できるため、いつものフードに少量のまたたび粉末をふりかけることで、嗅覚を刺激し、食べる意欲を引き出せることがあります。

(※ただし、全く食べない場合は病気の可能性があるため、まずは獣医師に相談してください)

またたびは一時的な食欲付けにはなりますが、もし高齢の猫ちゃんで食欲不振が続いている場合は、腎不全などの病気が隠れていることもあります。

「病気ケアをしつつ、美味しく食べて長生きしてほしい」という方は、こちらの記事で腎臓に優しいフードの選び方をチェックしてみてください。

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老化防止とデンタルケア

またたびには粉末だけでなく、「実(虫えい果)」や「枝(木)」のタイプもあります。

これらをガリガリと噛むことは、顎の筋肉を使い、脳への刺激になります。
特に高齢猫の認知症予防(ボケ防止)として活用されることもあります。
また、繊維質の枝を噛むことで、簡易的な歯磨き効果(デンタルケア)も期待できます。

危険性はある?与えてはいけない猫と注意点

不思議そうに首を傾げている猫

「またたびは安全な植物」とされていますが、すべての猫に無条件で与えて良いわけではありません。間違った与え方は事故につながる可能性があります。

1歳未満の子猫には与えない

まだ体が未発達な子猫(特に生後6ヶ月未満)には与えないでください。

子猫は神経系が完全に発達しておらず、またたびの強い刺激に対してパニックを起こしたり、過呼吸になったりするリスクがあります。
一般的には1歳を過ぎてから、少量ずつ試すのが安全です。

てんかん・心臓病の猫はNG

またたびによる興奮作用は、心臓や神経に負担をかけます。

てんかん発作の持病がある猫や、心臓疾患を抱えている猫には与えないようにしましょう。
興奮が引き金となって発作を起こしたり、症状が悪化したりする恐れがあります。
シニア猫の場合も、体調を見ながら慎重に判断してください。

「虫えい果」は効果が強力

市販されているまたたびの実には、通常の「実」と、凸凹した形をした「虫えい果(ちゅうえいか)」の2種類があります。

虫えい果は、マタタビアブラムシなどが寄生して変形した実のことで、通常の実よりも有効成分(マタタビラクトン類やアクチニジンなど)が凝縮されています。
そのため効果が非常に強く現れます。
初めて与える場合は、刺激が強すぎないか注意深く観察する必要があります。

粉・実・スプレー?またたびの種類とおすすめの選び方

またたび製品にはさまざまな形状があります。愛猫の性格や用途に合わせて選びましょう。

またたびの種類と特徴まとめ
種類 特徴・メリット こんな時におすすめ
粉末タイプ
(パウダー)
最も一般的で手に入りやすいタイプ。量の調整がしやすく、効果も比較的早く現れます。湿気に弱いので保管に注意が必要です。 ・初めてまたたびを試す時
・ご飯にかけて食欲を上げたい時
・爪とぎへの誘導に
実タイプ
(虫えい果)
乾燥させた実そのもの。成分が凝縮されており効果が強めです。ボールのように転がして遊べるため、狩猟本能を刺激します。 ・活発に遊ばせたい時
・運動不足の解消に
・粉末では反応が薄い子に
枝タイプ
(スティック)
またたびの木を乾燥させたもの。硬さがあるため、ガリガリと噛むことで歯の表面をこすり、簡易的な歯磨き効果が期待できます。 ・噛み癖のある子に
・歯磨きが苦手な子のケアに
・留守番中のストレス発散に
液体タイプ
(スプレー)
成分を抽出した液体タイプ。粉が飛び散らないため部屋が汚れません。効果は他のタイプより穏やかで、持続時間も短めです。 ・おもちゃやベッドに匂いを付けたい時
・粉末だとむせてしまう子に
・外出先やキャリーバッグに

頻度は週1回?安全に楽しむための正しい与え方

またたびを持っている飼い主

愛猫に長くまたたびを楽しんでもらうためには、与えすぎないことが鉄則です。

適切な量と頻度


  • 粉末なら「耳かき1杯程度」から始めましょう。製品パッケージの記載量(通常0.5g程度)を守ってください。
  • 頻度
    週に1〜2回が目安です。
    毎日与えると、猫が刺激に慣れてしまい、反応しなくなってしまいます。
    また、過剰摂取は呼吸困難などの中毒症状のリスクを高めるため、特別なご褒美として扱いましょう。

与え方のコツ

  • 匂いを嗅がせる
    おもちゃや爪とぎに擦り込むのが最も安全で効果的です。
  • 誤飲防止
    実や枝を与える際は、目を離さないようにしましょう。
    ボロボロになった枝や小さな実は、喉に詰まらせる危険があるため、早めに回収して新しいものと交換してください。
  • 保管場所
    猫は袋に入った状態でも匂いを嗅ぎつけます。
    勝手に取り出して大量に食べてしまわないよう、必ず猫の手の届かない扉付きの棚などに保管してください。

よくある質問(FAQ)

猫にまたたびを与えるとなぜ酔ったようになるのですか?

またたびに含まれる「ネペタラクトール」や「マタタビラクトン」などの成分が、猫の上顎にあるヤコブソン器官(嗅覚器官)を通して脳の中枢神経を刺激するためです。
これにより一時的な陶酔状態や興奮状態が引き起こされますが、最新の研究では蚊を避ける成分を体に擦りつけるための行動であるとされています。

またたびとキャットニップ(西洋またたび)の違いは何ですか?

どちらもシソ目の植物で猫が好む成分を含みますが、一般的にまたたびの方が効果が強いと言われています。
キャットニップに含まれる「ネペタラクトン」に反応しない猫でも、またたびには反応することがあります。
作用の強弱で使い分けるのがおすすめです。

毎日あげても大丈夫ですか?

毎日はおすすめしません。
頻繁に与えると体が慣れて効果が薄れてしまうだけでなく、興奮状態が続くことで体への負担になる可能性があります。
週に1〜2回、特別なご褒美として与えるのが理想的です。

まとめ|週1回の「またたび習慣」で、愛猫のストレスと健康を賢くケアしよう

外を眺めている猫

またたびは、猫の本能を刺激し、ストレス解消や健康維持に役立つ素晴らしいアイテムです。

しかし、その効果が強力である分、飼い主さんが正しい知識を持ってコントロールしてあげることが大切です。

この記事の重要ポイント
猫が酔う理由 ただの快楽ではなく、「蚊よけ」をするための生存本能であることが判明。
メリット ストレス解消、食欲増進、デンタルケア(歯磨き効果)などが期待できる。
注意すべき猫 1歳未満の子猫、てんかん発作や心臓病の持病がある猫には与えない。
正しい与え方 粉末・実・枝などのタイプを使い分け、頻度は週1回程度を目安にする。

愛猫の性格や体調に合わせて、またたびを上手に活用してみてください。
ゴロゴロと幸せそうに体を擦りつける姿を見れば、きっと飼い主さんまで幸せな気分になれるはずです。
ぜひ、今日から安全な「またたびライフ」を始めてみましょう。

石井 秀平

この記事を書いた人

石井 秀平

エンジニア / ライター| エンジニアとして働きながら、動物に関する情報を発信。過去には犬やうさぎなどのペットと暮らし、魅力や飼育のコツを紹介。動物好きならではの役立つ情報をたっぷりお届け。

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